ひとり親世帯の貧困が深刻な社会問題となっていますが、その多くはいわゆる母子家庭です。
厚生労働省「平成27年・国民生活基礎調査の概況」では、2015年の全世帯の中で母子家庭が占める割合は1.6%。いっけん少ないように見えますが、世帯数でみると79万3000世帯になります。そして、母子家庭の相対的貧困率は54.6%、つまり約半数が貧困にあえいでいる状態です。(相対的貧困 その人がくらしている社会の普通の生活水準と比較して下回っている状態のこと)
そして、仕事をしている母親の57%が収入の安定しない非正規雇用です。平均年収は125万円、月換算で計算すると10万2500円。おおよそ、ひと月10万円で生活をしているの事になります。※厚生労働省資料「ひとり親家庭等の現状について(平成27年4月20日)」
自分ひとりで月10万円で暮らすというのも経済的にくるしいですが、母子家庭はそこに子どもが加わります。必然的に子どもの教育費にかけられる支出は少なくなり、支出額は一般家庭平均のやく半分。支出がすくない=学力低下をまねく一因にもあげられ、大学進学率が低くなるデータもあります。母子家庭の貧困は親だけの問題だけでは無く、子どもが当たり前に持っているはずの「物」や「人とのつながり」そして「教育・経験の機会」がうばわれ、社会的格差として子どもに引きつがれてしまう負のスパイラルが生じているのです。
ひとり親家庭は、子育ても仕事もすべてひとりで抱えざるをえません。
子どもが熱をだすのは当たり前のことであるにも関わらず、子どもの病気で休みがちになり、仕事を休むことで収入減に直結したり、何日も休みがつづけば最悪の場合リストラの対象になり失業してしまう可能性もあります。
そうした理由から企業の側の信頼や理解をえづらく、子どもを連れての就職活動の面接では、
「お子さんが病気のときは誰か見てくれる人はいますか? 急に休まれるのは困るんですよね…」
「保育園のお迎えがあるので残業はできない? それは困りますね…」 こんなふうに言われ、なかなか正社員の仕事に就くことはできません。
親が働けなくなれば、直ちに貧困への転落が親子の目の前にせまります。
この危機を乗りきるため、そして子どもへの連鎖を断ちきるために、えんまるがサポートできる仕組みをつくりました。寄付で支える病児保育支援、ひとり親家庭のために低価格で病児保育を提供。大変なときに支えあえる社会を実現していきます。
子どもの急病時に、親にかわり保育スタッフが子どもをケアする「えんまる自宅訪問型病児保育」このサポートをひとり親家庭に低価格で提供し、急病時にいつでも利用できるようにすることで、子どもの急病時に仕事をつづけられるという安心感がえられ、ひとり親家庭の就労、経済的な自立の支援にもなります。また、子どもに引きつがれる貧困の連鎖を断ちきることができます。
こちらの活動にご賛同いただけましたら、無理のない範囲でけっこうですのでご支援をお願いいたします。